ひとりで事業を動かしていると、本来の仕事以外に、メール、見積説明、SNS、日程整理、資料作成などが積み重なります。1つずつは短くても、切り替えが多いと負担になります。
生成AIは、こうした仕事の下書きや整理に使えます。ただし、何でも任せるのではなく、繰り返しが多く、人が最終確認できる作業から始めます。
ここでは、最初に見直しやすい5つの仕事と、試すときの手順を紹介します。
1. メール返信の下書き
よくある問い合わせ、日程調整、資料送付の案内などは、型を作りやすい仕事です。
最初に、過去のメールからよく使う種類を3つに分けます。
- 問い合わせへの一次返信
- 日程候補の案内
- 資料送付後の確認
実際の顧客情報は入れず、架空名と架空の内容でテンプレートを作ります。AIに頼むときは、目的、必須情報、長さ、文章の雰囲気、避けたい表現を指定します。
送信前には、宛名、日付、添付ファイル、価格、約束した内容を人が確認します。
2. 見積内容の説明文
見積書の項目だけでは伝わりにくい場合、作業内容、含まれる範囲、含まれない範囲を説明する文章が必要です。
AIには、社内用の略語を顧客向けの言葉へ直す、長い説明を項目別に整理する、といった下書きを任せられます。
ただし、金額、納期、修正回数、契約条件はAIに推測させません。正しい条件を人が渡し、完成後にも確認します。
3. SNS投稿の案
投稿のたびにゼロから文章を考えている場合は、「商品紹介」「お知らせ」「仕事の考え方」など種類ごとの型を作ります。
AIで3案を出し、会社らしいものを選んで直します。投稿前に、日付、価格、固有名詞、画像の内容、権利関係を確認します。
投稿数を増やすことだけを目的にせず、読んでほしい人に必要な情報が伝わるかを優先します。
4. 打ち合わせ後を整理する
自分で取ったメモを、次の作業、相手へ確認すること、期限に分ける作業はAIで整理しやすい候補です。
ただし、顧客名、連絡先、契約上の秘密などは削除します。AIがメモにない期限や担当者を補っていないか確認します。
おすすめの出力形式は次の3列です。
| 次に行うこと | 担当 | 期限 |
|---|---|---|
| 入力内容から整理 | 不明なら「要確認」 | 不明なら「要確認」 |
「不明な情報を推測せず、要確認と書く」と指定します。
5. マニュアルや手順の下書き
自分だけが分かっている手順を、将来誰かへ渡せる形にする仕事です。
まず実際の作業を箇条書きし、AIに「準備」「手順」「確認」「例外」に分けてもらいます。AIが追加した手順が実際の業務と合うかを確認し、画面名や保存場所などは正確な情報へ直します。
優先順位の決め方
5つすべてを同時に始める必要はありません。次の4項目を5点満点で採点します。
- 発生する回数
- 1回にかかる時間
- 同じ型を使える程度
- 人が確認しやすい程度
合計点が高く、個人情報や機密情報を入れずに試せる仕事を1つ選びます。
AIを使う前に減らせる仕事もある
AIで効率化する前に、その作業自体が必要かを確認します。
- 同じ情報を複数の表へ入力していないか
- 使われていない資料を作り続けていないか
- 案内ページを直せば、同じ問い合わせを減らせないか
- 定型文や予約機能だけで解決できないか
AIはすべての問題の答えではありません。削除、統合、テンプレート化で済む場合は、そちらが簡単です。
1週間の試し方
1日目
負担になっている仕事を10個まで書き出します。
2日目
発生回数、時間、型、確認しやすさで1つ選びます。
3日目
架空情報でAIへの依頼文を作ります。
4〜6日目
実際の業務で下書きに使い、直した点を記録します。
7日目
使えた部分、使えなかった部分、人が確認する項目をテンプレートへ戻します。
この小さな改善を繰り返すと、自分の仕事に合う使い方が残ります。
まとめ
ひとりで事業を動かしている場合は、メール、見積説明、SNS、打ち合わせ後の整理、マニュアル作成から見直しやすくなります。
最初に選ぶのは、繰り返しが多く、型があり、人が確認でき、機密情報を入れずに試せる仕事です。AIは下書きと整理に使い、事実と最終判断は人が確認します。
自分の仕事なら、何をAI化できる?
何を先に整えるか迷う場合は、仕事内容と困りごとをもとに優先順位を整理できます。架空の喫茶店を例にした診断サンプルで、完成イメージをご確認ください。
